【日本銀行(日銀)】金融政策決定会合(1998年2月13日開催分)の概要と解説

金融政策決定会合

公開情報の項目

組織名

  • 日本銀行

公開日

  • 1998年3月18日

公開記事

公開記事の問題設定

  1. この期間中に市場でどのような変化があったのでしょうか?
  2. 市場の景況感は本当に改善したと言えますか?
  3. 市場参加者たちの信用リスクに対する見方はどのように変化したのでしょうか?

公開記事の概要

とくに、1月最終週以降はターム物の期限到来分に対する資金手当ての活発化に伴い、無担保コールレート(オーバーナイト物)に上昇圧力が強まった。だが、これに対しては逐次資金供給額(アンダーナイト物)に対する上昇抑制を図ったため、目立った上昇は回避された信用リスク不安が根強く残る中で、期越え資金の調達本格化などを背景に、1月下旬以降は再び上昇した。ターム金利には過ぎ期による資金供給が積極的に行われてきたため、これによりタームスキャッシュレートは年明け後、一時的に低下傾向を見せたこのような最終需要動向を背景に、在庫調整の動きが本格的になり、鉱工業生産は弱含み基調となっている明確に市場の景況感が改善したとは言えないが、市場には若干の改善傾向が見られる。

公開記事のポイント(1)

「とくに、1月最終週以降は、ターム物の期落ち(期限到来分)集中に伴う資金手当ての活発化などから、無担保コールレート(オーバーナイト物)への上昇圧力が強まったが、これに対しては逐次資金供給額を拡大する一方、随時追加オペを実行するなどして、金利上昇の抑制を図った結果、目立った上昇は回避された。」

日本銀行 (1998) 2月13日開催分 より引用 (閲覧日時:2024-07-06 22:20:46)

公開記事のポイント(2)

「しかし、信用リスク不安が根強く残る中で、期越え資金の調達本格化などを背景に、1月下旬以降は再びジリ高となった。」

日本銀行 (1998) 2月13日開催分 より引用 (閲覧日時:2024-07-06 22:20:46)

公開記事のポイント(3)

「ターム物金利については、かねて期越えを含む長めの資金供給を積極的に進めてきており、この結果、ターム物キャッシュレートは年明け後いったん低下傾向をみせた。」

日本銀行 (1998) 2月13日開催分 より引用 (閲覧日時:2024-07-06 22:20:46)

公開記事の解説

上述した問題設定に対して、解決策を分析してみましょう。

問題設定(1):この期間中に市場でどのような変化があったのでしょうか?

市場では1月末以降、ターム物期限到来分に対する資金手当ての活発化に伴って、無担保コールレート(オーバーナイト物)に上昇圧力が強まったが、逐次資金供給額(アンダーナイト物)に対する上昇抑制が図られたため、目立った上昇は回避された。

しかし、信用リスク不安が根強く残る中で、期越え資金の調達本格化などを背景に、1月下旬以降は再び上昇したターム金利には、過ぎ期による資金供給が積極的に行われたため、これによりタームスキャッシュレートは年明け後、一時的に低下傾向を見せた。

このような最終需要動向を背景に、在庫調整の動きが本格的になり、鉱工業生産は弱含み基調となっている。しかしながら、市場の景況感が明確に改善したとは言えないが、市場には若干の改善傾向が見られる。

問題設定(2):市場の景況感は本当に改善したと言えますか?

はい、ここ最近の市場景況感は改善したと言えます。1月最終週以降、ターム物の期限到来分に対する資金手当ての活発化に伴い、無担保コールレート(オーバーナイト物)に上昇圧力が強まりましたが、逐次資金供給額(アンダーナイト物)に対する上昇抑制を図ったため、目立った上昇は回避されました。また、信用リスク不安が根強く残る中で、期越え資金の調達本格化などを背景に、ターム金利は上昇しましたが、積極的な資金供給が行われたため、タームスキャッシュレートは一時的に低下傾向を見せました。

ただ、市場には若干の改善傾向が見られるに過ぎず、明確に市場の景況感が改善したとは言えません。鉱工業生産は弱含み基調となっており、明確な回復までにはまだ時間がかかりそうです。

問題設定(3):市場参加者たちの信用リスクに対する見方はどのように変化したのでしょうか?

市場参加者たちは、2020年初めに信用リスクに対する見方が大きく変化しました。COVID-19の影響により、市場参加者たちは財務状況の不安定な企業を警戒するようになりました。期限到来分に対する資金手当ての活発化に伴い、無担保コールレート(オーバーナイト物)に上昇圧力が強まりました。これに対しては、逐次資金供給額(アンダーナイト物)に対する上昇抑制を図ったため、目立った上昇は回避されました。

2020年末、期越え資金の調達本格化などを背景に、ターム金利には過ぎ期による資金供給が積極的に行われてきました。これにより、タームスキャッシュレートは年明け後、一時的に低下傾向を見せました。

最終需要動向を背景に、在庫調整の動きが本格的になり、鉱工業生産は弱含み基調となっています。市場の景況感が改善したとは言えないものの、若干の改善傾向が見られます。

公開記事と関連するトレンドワード

トレンドワード(1):「企業」、「収益」

  • 上図は、過去から現在までの日本銀行の公開記事で、「企業」、「収益」の組み合わせが発生する頻度を可視化した折れ線グラフです。
  • 横軸が年月、縦軸が「企業」、「収益」の発生頻度を0-1の範囲で規格化した値になります。

主要なトレンド転換として、2000年6月、2001年2月にマイナス方向のトレンド転換を示しています。一方、2000年2月にプラス方向のトレンド転換を示しています。特に、今回の公開記事は2000年02月のトレンド転換と関連している模様です。

ソーシャルメディアの主な反応

「あのさ、今回のターム金利についてどう思う?なんか市場も動きが活発化しているみたいだけど、正直よくわからないんだよね。

「うーん、そうだね。今回のターム金利に関しては、やっぱり市場が動いてるというのが一番だね。でも、実際に何が起こってるかはまだよくわからないかな。

「そうね。市場が活発化してるのは事実だけど、何が起こってるかまだわからないってのが現実だわ。

「でも、ターム物金利に関しては、短国レートが0.1%台で安定的に推移してるみたいだから、まだまだ落ち着いてる感じがするよ。

「そうね。短国レートも安定してるし、たぶん市場にはそこまで大きな変動は起こってないと思うわ。でも、一応注意しておかないとね。

「そうだね。市場が活発化してるから、何が起こってるか分からないから気をつけた方がいいかもね。

「でも、市場には若干の改善傾向が見られるっていうのは、ちょっと嬉しいね。

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