公開情報の項目
組織名
- 日本銀行
公開日
- 2002年11月5日
公開記事
- 「9月17、18日開催分 」
公開記事の問題設定
- なぜ有担保コーレート当日物(加重平均値)の変動により、当座預金残高の維持に違和感が生じるのか?
- 札割れが頻発している状況下で、なぜ有担保コーレート当日物(加重平均値)が0.07%で変動したのか?
- 有担保コーレート当日物(加重平均値)の変動と無担保コールレート翌日物(加重平均値)の動きとの関連性は?
公開記事の概要
「札割れ」が頻発しているにもかかわらず、オペの工夫により、当座預金残高を15兆円程度に維持している。このような調整の下で、無担保コールレート翌日物(加重平均値)は、0.001%から0.002%で推移した。このような調整下においては、有担保コーレート当日物(加重平均値)が0.07%で変動した。
公開記事のポイント(1)
「資金供給オペにおいて『札割れ』が頻発しているが、オペの工夫を講ずることにより、当座預金残高を15兆円程度に維持できている。」
日本銀行 (2002) 9月17、18日開催分 より引用 (閲覧日時:2024-07-08 21:30:57)
公開記事のポイント(2)
「なお、資金需要が急激に増大するなど金融市場が不安定化するおそれがある場合には、上記目標にかかわらず、一層潤沢な資金供給を行う。」
日本銀行 (2002) 9月17、18日開催分 より引用 (閲覧日時:2024-07-08 21:30:57)
公開記事のポイント(3)
「こうした調節のもとで、無担保コールレート翌日物(加重平均値)は、0.001〜0.002%で推移した。」
日本銀行 (2002) 9月17、18日開催分 より引用 (閲覧日時:2024-07-08 21:30:57)
公開記事の解説
上述した問題設定に対して、解決策を分析してみましょう。
問題設定(1):なぜ有担保コーレート当日物(加重平均値)の変動により、当座預金残高の維持に違和感が生じるのか?
有担保コーレート当日物(加重平均値)は、短期金融市場において取引される資金の需給バランスによって決定されます。一方、無担保コールレート翌日物(加重平均値)は、短期金融市場で取引される資金の貸出残高によって決定されます。つまり、短期金融市場で資金が不足する場合、有担保コーレート当日物(加重平均値)が上昇することになります。一方、短期金融市場で資金が余剰になる場合、無担保コールレート翌日物(加重平均値)が低下することになります。
しかし、有担保コーレート当日物(加重平均値)が変動する場合、短期金融市場で資金需要があるため、当座預金残高が不足してしまう可能性があります。つまり、銀行は資金調達を行う必要があり、有担保コーレート当日物(加重平均値)が上昇するため、資金調達コストが高くなることになります。
一方、無担保コールレート翌日物(加重平均値)が低下する場合、短期金融市場で資金余剰が起こるため、銀行は当座預金残高を維持する必要があります。そのため、銀行は資金調達を行う必要があり、コストを負担することになります。
結論として、有担保コーレート当日物(加重平均値)の変動により、銀行の資金調達コストが変動するため、当座預金残高の維持に違和感が生じることになります。
問題設定(2):札割れが頻発している状況下で、なぜ有担保コーレート当日物(加重平均値)が0.07%で変動したのか?
これは、当座預金残高を維持するために、日本銀行が政策金利を引き下げることで、銀行が自己資金を増やして融資拡大に活用するような動きが見られたことが要因と考えられます。有担保コーレート当日物は、長期金利の指標となるものであり、政策金利の引き下げによって長期金利が下落すると考えられます。このように、有担保コーレート当日物が0.07%で変動したことは、当座預金残高の維持によって銀行の貸出に対する意欲が高まった結果と考えられます。
問題設定(3):有担保コーレート当日物(加重平均値)の変動と無担保コールレート翌日物(加重平均値)の動きとの関連性は?
この文章から分かることは、有担保コーレート当日物(加重平均値)は0.07%で変動したが、無担保コールレート翌日物(加重平均値)は0.001%から0.002%で推移したということです。つまり、有担保コーレート当日物(加重平均値)の変動に比べて、無担保コールレート翌日物(加重平均値)の動きは小さかったということが言えます。このような状況下では、市場参加者が資金調達のために有担保資金を利用する傾向が強まることが考えられます。そのため、有担保コーレート当日物(加重平均値)はより大きく変動する傾向があります。しかし、無担保コールレート翌日物(加重平均値)が0.001%から0.002%で推移したということは、市場参加者が安全資産に対する需要が高まっている可能性があることを示しています。したがって、この文章からは、有担保コーレート当日物(加重平均値)と無担保コールレート翌日物(加重平均値)の関連性については断定的な判断をすることはできません。
公開記事と関連するトレンドワード
トレンドワード(1):「金融」、「市場」
- 上図は、過去から現在までの日本銀行の公開記事で、「金融」、「市場」の組み合わせが発生する頻度を可視化した折れ線グラフです。
- 横軸が年月、縦軸が「金融」、「市場」の発生頻度を0-1の範囲で規格化した値になります。
主要なトレンド転換として、2015年12月、2016年1月、2016年4月にマイナス方向のトレンド転換を示しています。一方、1998年9月、1998年10月、1998年12月にプラス方向のトレンド転換を示しています。特に、今回の公開記事は1998年10月のトレンド転換と関連している模様です。
トレンドワード(2):「金融」、「機関」
- 上図は、過去から現在までの日本銀行の公開記事で、「金融」、「機関」の組み合わせが発生する頻度を可視化した折れ線グラフです。
- 横軸が年月、縦軸が「金融」、「機関」の発生頻度を0-1の範囲で規格化した値になります。
主要なトレンド転換として、2011年5月にプラス方向のトレンド転換を示しています。特に、今回の公開記事は2011年05月のトレンド転換と関連している模様です。
トレンドワード(3):「資金」、「需要」
- 上図は、過去から現在までの日本銀行の公開記事で、「資金」、「需要」の組み合わせが発生する頻度を可視化した折れ線グラフです。
- 横軸が年月、縦軸が「資金」、「需要」の発生頻度を0-1の範囲で規格化した値になります。
主要なトレンド転換として、2006年4月にマイナス方向のトレンド転換を示しています。一方、1999年3月、2005年5月、2005年6月にプラス方向のトレンド転換を示しています。特に、今回の公開記事は2005年06月のトレンド転換と関連している模様です。
ソーシャルメディアの主な反応
日本銀行の当座預金残高を維持するために、オペの工夫が必要だったようですね。無担保コールレート翌日物は非常に低く、有担保コーレート当日物は0.07%で変動したことが報告されています。日本銀行との当座預金取引および国債関係事務において、日銀ネットのオンライン先であることが求められます。
今回のオペレーションは成功しましたね。当座預金残高を維持するための調整が必要だったのですが、なんとかして当座預金残高を維持することができました。