【日本銀行(日銀)】金融政策決定会合(2012年11月20日開催分)の概要と解説

金融政策決定会合

## 公開情報の項目

### 組織名

- 日本銀行

### 公開日

- 2012年12月26日

### 公開記事

- 「[11月19、20日開催分 [PDF 252KB]](https://www.boj.or.jp//mopo/mpmsche_minu/minu_2012/g121120.pdf)」

## 公開記事の問題設定

1. 長期国債と短期国債の残高の着実な積み上げが実現されているにも関わらず、無担保コールレートの低下が見られない理由は何か
2. オペ残高の減少を意識した前倒しの資金調達が行われているということは、市場に過剰な資金が滞留していると考えられるが、その理由は何か
3. 年末に向けたオペ残高の減少を意識した前倒しの資金調達に伴う市場における資金不足局面の解消方法はあるのか

## 公開記事の概要

資産買入等の基金の運営状況を見ると、固定金利方式と共通担保資金供給オペレーションは、税揚げや国債発行に伴う季節的な資金不足局面となる中、年末に向けたオペ残高の減少を意識した前倒しの資金調達が見られていることもあり、このところ旺盛な応札が続いている。このような中で、無担保コールレート(オーバーナイト物)は、0.07%台後半から0.07%台前半の間で推移した。

このような中で、有担保グループ(ロールナイト物は、0.09%台の後半の間で変動した。10月25日から0.09%台の前半の間に推移したという。長期国債と短期国債の買入れについても、競争的な応札が見られる中で、残高の着実な積み上げが実現されている。長期金利をみると、2年債利回りは、0.1%を下回る水準で安定的に推移している。

### 公開記事のポイント(1)

> 「資産買入等の基金の運営状況をみると、固定金利方式・共通担保資金供給オペレーションは、税揚げや国債発行に伴う季節的な資金不足局面となる中、年末に向けたオペ残高の減少を意識した前倒しの資金調達がみられていることもあって、このところ旺盛な応札が続いている。」

> 日本銀行 (2012) [11月19、20日開催分 [PDF 252KB]](https://www.boj.or.jp//mopo/mpmsche_minu/minu_2012/g121120.pdf)より引用 (閲覧日時:2024-07-12 13:42:12)

### 公開記事のポイント(2)

> 「こうした中、無担保コールレート(オーバーナイト物)は、0.07%台後半から0.09%台前半の間で推移した。」

> 日本銀行 (2012) [11月19、20日開催分 [PDF 252KB]](https://www.boj.or.jp//mopo/mpmsche_minu/minu_2012/g121120.pdf)より引用 (閲覧日時:2024-07-12 13:42:12)

### 公開記事のポイント(3)

> 「長期国債買入れおよび短期国債買入れについても、しっかりとした応札がみられるもとで、残高の着実な積み上げが実現している。」

> 日本銀行 (2012) [11月19、20日開催分 [PDF 252KB]](https://www.boj.or.jp//mopo/mpmsche_minu/minu_2012/g121120.pdf)より引用 (閲覧日時:2024-07-12 13:42:12)

## 公開記事の解説

上述した問題設定に対して、解決策を分析してみましょう。

### 問題設定(1):長期国債と短期国債の残高の着実な積み上げが実現されているにも関わらず、無担保コールレートの低下が見られない理由は何か

長期国債と短期国債の買入れにより残高が積み上げられているにもかかわらず、無担保コールレートの低下が見られない理由は、長期国債と短期国債の買入れは中央銀行が直接行っているため、オーバーナイト物の銀行間取引においては中央銀行の政策によって決定される「政策金利」が重要な要素となっているためです。

政策金利は日本銀行が決定するものであり、無担保コールレートは政策金利に対して影響を受けます。したがって、政策金利の変動によって、無担保コールレートの変化も見られるというわけです。

一方で、有担保グループにおいては、長期金利が低下しているにも関わらず、有担保グループにおいても無担保コールレートと同様にオーバーナイト物の銀行間取引においては政策金利が重要な要素となっているため、政策金利が上昇すると有担保グループのコールレートも上昇することがあるのです。

### 問題設定(2):オペ残高の減少を意識した前倒しの資金調達が行われているということは、市場に過剰な資金が滞留していると考えられるが、その理由は何か

資産買入等の基金の運営状況を見ると、固定金利方式と共通担保資金供給オペレーションは、年末に向けたオペ残高の減少を意識した前倒しの資金調達が行われています。それにより市場に過剰な資金が滞留していると考えられます。しかし、無担保コールレート(オーバーナイト物)は、0.07%台後半から0.07%台前半の間で推移しており、有担保グループ(ロールナイト物)は、0.09%台の後半の間で変動しています。このようなことから、市場に過剰な資金がある状況であると言えますが、無担保コールレート(オーバーナイト物)の低下傾向や有担保グループ(ロールナイト物)の変動などが起きていることから、市場の需給がバランスを保っている状況とも言えます。長期国債と短期国債の買入れについても、競争的な応札が見られており、残高の着実な積み上げが実現されています。また、2年債利回りは、0.1%を下回る水準で安定的に推移しています。

### 問題設定(3):年末に向けたオペ残高の減少を意識した前倒しの資金調達に伴う市場における資金不足局面の解消方法はあるのか

このような中で、オペ残高の減少を意識した前倒しの資金調達が行われるため、年末に向けて資金不足局面が解消されることが期待されています。一方で、無担保コールレート(オーバーナイト物)は、0.07%台後半から0.07%台前半の間で推移しており、有担保グループ(ロールナイト物)は0.09%台の後半の間で変動しています。長期国債と短期国債の買入れも競争的な応札が見られる中で残高が着実に積み上げられています。また、長期金利は2年債利回りが0.1%を下回る水準で安定的に推移しています。これらの状況から、資金不足局面が一時的なものであると予測され、市場における資金不足局面は解消されることが期待されています。

## 公開記事と関連するトレンドワード

### トレンドワード(1):「海外」、「経済」

- 上図は、過去から現在までの日本銀行の公開記事で、「海外」、「経済」の組み合わせが発生する頻度を可視化した折れ線グラフです。
- 横軸が年月、縦軸が「海外」、「経済」の発生頻度を0-1の範囲で規格化した値になります。

主要なトレンド転換として、2013年12月、2014年1月、2020年2月にマイナス方向のトレンド転換を示しています。一方、2011年10月、2011年11月、2019年5月にプラス方向のトレンド転換を示しています。特に、今回の公開記事は2019年05月のトレンド転換と関連している模様です。

### トレンドワード(2):「実体」、「経済」

- 上図は、過去から現在までの日本銀行の公開記事で、「実体」、「経済」の組み合わせが発生する頻度を可視化した折れ線グラフです。
- 横軸が年月、縦軸が「実体」、「経済」の発生頻度を0-1の範囲で規格化した値になります。

主要なトレンド転換として、1999年8月、2000年3月、2009年6月にマイナス方向のトレンド転換を示しています。一方、1999年3月、2008年11月にプラス方向のトレンド転換を示しています。特に、今回の公開記事は1999年03月のトレンド転換と関連している模様です。

### トレンドワード(3):「企業」、「資金」

- 上図は、過去から現在までの日本銀行の公開記事で、「企業」、「資金」の組み合わせが発生する頻度を可視化した折れ線グラフです。
- 横軸が年月、縦軸が「企業」、「資金」の発生頻度を0-1の範囲で規格化した値になります。

主要なトレンド転換として、2016年1月、2021年2月にマイナス方向のトレンド転換を示しています。一方、2008年12月、2020年5月にプラス方向のトレンド転換を示しています。特に、今回の公開記事は2020年05月のトレンド転換と関連している模様です。

## ソーシャルメディアの主な反応

資産買入等の基金の運営状況は、税揚げや国債発行に伴う季節的な資金不足局面となる中、前倒しの資金調達が見られているようです。これは、将来的な流動性のリスクに備えることができる可能性が高く、投資家にとっては、一定の安心感を与えることにつながるかもしれません。

無担保コールレートは、0.07%台後半から0.07%台前半の間で推移しているということですが、有担保グループ(ロールナイト物)は、0.09%台の後半の間で変動したということで、債券市場という観点からすると、相対的に安定している印象を受けます。

一方、長期国債と短期国債の買入れについては、競争的な応札が見られる中で、残高の着実な積み上げが実現されているようです。このような市場環境は、総合的に安定的であり、投資家にとっても評価することができるでしょう。

最後に、各々の市場におけるプレゼンスが大きいことも確認できます。

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